酒カスの効果効能、もうカスとは思えません。
杉玉 奉納酒 奈良 大神神社 / Mixtribe Photo
酒カスは、日本酒を絞った後に残ったものなので「カス」と言われていますが、実はとても栄養価の高い優秀な食材の1つだと分かりました。先日の「夕どきネットワーク」や「はなまるマーケット」で特集をしていたのでまとめておきます。
米・水・麹菌・酵母菌を混ぜて発酵すると出来るものが「もろみ」です。もろみを袋に入れて濾したものが「日本酒」で、残ったもろみが「酒カス」です。酵母菌は米に含まれる糖分を食べながら分裂しその数を増やしていきます。酵母菌はこの過程でアルコールを生み、アルコールと共にビタミンやアミノ酸も生み出して体内にため込みます。
もろみを絞ると、アルコールはほとんど外へ出てしまいますが、酵母菌は全て酒カスの中に残ります。結果、酒カスは酵母菌がたっぷりと含まれ、豊かな栄養を生みだしています。酒カス1g中に2〜3億もの酵母菌が含まれています。酵母菌は栄養そのものだそうです。また酒カスには酵母菌だけでなくビタミンや食物繊維、アミノ酸やたんぱく質やミネラルなども豊富に入っています。
例えば100g中の酒カスには、ビタミンB2(口内炎予防)はにんじん2本分、ビタミンB6(免疫力を高める)はレモン8個分、葉酸(貧血予防)柚8個分、パンテトン酸(ストレスに対する抵抗力を高める)はリンゴ10個分と、これだけの栄養素が全部入っているのだそうです。気になるアルコールですが、アルコールは約8%含まれています。江戸時代には「手握り酒」と呼ばれていたそうです。
酒カスのパワーは主に3つあり、全て科学的なデーターに裏付けされ証明されています。「美肌効果」は麹酸グリセロールが肌を艶やかにします。「肝臓を守る働き」はペプチドが傷んだ肝臓を修復し「糖尿病予防」は、コレステロールを下げる働きがあると分かってきました。コレステロールを下げるのは、酒カスの中の「レジスタントプロテイン」と言う消化されにくいたんぱく質が、胃の中でも生きていてそのまま小腸に届き、小腸内にある余分な油を絡み取って体外へと運び出すからです。12人が酒カス50gを3週間摂取した所、血中の悪玉コレステロールが低下した人が11人いました。
酒カスは「カス」と言うのは申し訳ないような気がします。NHKの番組では、酒かすとお味噌を半々に混ぜたものをお肉の両面に塗ってラップをかけ、1カ月付けると美味しくなると放送していました。ほんの少し食べるだけでも栄養満点の酒カスです。いろいろな食べ方を研究してみたいです。
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