大阪都構想が見据えているもの②

Wind Energy Institute of Canada, North Cape PEI Canada

大阪都構想による改革、もう1つは「電力」です。橋下さんは脱原発を掲げていますが、どの様にすすめていくのでしょうか。

電力会社は既に民営化されていますが、大阪市関西電力の株を約9%保有しています。たったの9%では少ないと思いましたが、大阪市は実は筆頭株主なのだそうです。その他は個人投資家によって35%、保険会社などが30%となっています。では筆頭株主である大阪市関西電力に対して働きかける事とは何なのかというと、原発保有している事自体が株主にとってはリスクになるのでこのリスクを下げるよう関西電力に要求し、また他の株主たちもこれに乗って来る可能性は非常に高くなります。

東京電力は今回の原発事故によって債務超過に陥っています。株価も低迷し株主たちは多大な損失を被り、すでに5兆円規模の株主代表訴訟がおこされているという事実があります。このことから、原発保有する事自体が株価が下落する大きなリスクになると言えるし、関西電力は、この意見をやり過ごす訳にはいかなくなっています。株価が上がる事によって株主は利益を得ます。

株価を落とす可能性が高い原発、そして実際に東京電力では株主代表訴訟が起きている事から、原発を止める方向へ持っていくよう強い姿勢で働き書ける事ができます。そして原発に代わる新しいエネルギーシステムの開発などを行う新ビジネスが生まれ、経済成長へと結びつくという構図です。そしてこの構図が上手く行けば、脱原発の動きと新ビジネスの開発は徐々に全国へと広まっていく可能性は十分あるとみられています。

大阪による水事業と電力改革。まだ構想の段階ではありますが、改革のためのアイデアをつぎつぎと出す橋下さんの政治。これからも注目して行きたいです。

緑の分権改革: あるものを生かす地域力創造

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体制維新――大阪都 (文春新書)

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